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杉並の風
      
水素は凄いぞ !!!

 松浦正好 (S43経)
 

皆さん、突然ですが「水素は地球を救う、人を救う」と聞かれてどう思われますか?
 地球の温暖化による天変地異(一説にはCO₂の増加)の多発、あるいは私たちの病気の多様化(活性酸素による影響?)は水素によって解決できるかもしれません。

・燃料としての水素
 「酸素」と「水素」の混合気体に点火しますと爆発的な熱が発生します。このエネルギーを利用したハイブリッドカーをはじめ様々な分野で応用が試みられています。水素と酸素は、反応後は「水」のみでCO₂を排出しない究極のエネルギーとされ、地球環境改善(低炭素環境)の大きな手段として期待されています。

・生命体は水素が大いに係っています
 植物は、水(H₂O)と炭酸ガス(CO₂)を葉に導き、葉緑体で太陽光を使って水素(2H₂)と酸素(O₂)に分け、不要な酸素を大気へ放出します。残った水素で植物の活動エネルギーである物質(ATP)を作っているのです。
 一方、人を含め動物は、炭水化物(C₆H₁₂O₆など)を消化吸収し細胞に導き同時に、呼吸により酸素(O₂)を体に取り込み細胞へ導きます。細胞内で炭水化物と酸素を酵素で反応させ、不要になった炭酸ガス(CO₂)を肺から放出します。残った水素(H)を使って活動エネルギーである物質(ATP)を作っています。私たちは水素を取り出すために食事をしているのです。

・酸素は諸刃の剣
 46億年ほど前に地球が誕生したといわれています。生命体の誕生は、35億年ほど前に深海底の熱水噴出孔から出る単純な有機物から複雑な有機物が作られ硫化水素(SH₄)やメタン(CH₄)を栄養源に発生したと考えられています。
27億年ほど前に光合成を行い酸素を放出するバクテリアが発生し、地球上に「酸素O₂」が徐々に増えていきました。その結果多くの生命体が酸素(活性酸素)に酸化され死滅したと考えられています。
21億年ほど前に、酸素を代謝するミトコンドリアという生命体が誕生し、我々の祖先である「原核生物」がミトコンドリアと共生(真核生物)したことで、エネルギーを飛躍的に効率よく産生できるようになりました。
酸素は、エネルギーの効率では素晴らしいものがありますが、酸化という毒の面を持っておりまさに「諸刃の剣」といえます。

・水素のまとめ
 酸素を取り入れることにより大きなエネルギーを生み出し、私たちの祖先の細胞が単体の生き物から多細胞(細胞集合体)へと進化してきました。しかし、同時に活性酸素という生命を脅かす毒も獲得しました。活性酸素にはいくつかの種類があり、体内酵素や動植物などから摂れる抗酸化物質で対抗していますが、最も毒性が強い「ヒドロキシラジカル」が問題です。水素はこの「ヒドロキシラジカル」を選択的に還元するといわれ、脚光を浴びるようになりました。

これからの地球は「水素」が救うかもしれません。





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