杉並三田会ホームページ
杉並の風
        
 都会のオアシス
 水本 陽子(H20法)
 
地上には高層ビルが立ち並び,地下には地下鉄や広大な地下街が広がる。そんな東京の生活を謳歌し楽しむ一方で,時には緑の中で一息つきたいと感じることもあります。そんなとき,私が向かうのが,新宿御苑です。

新宿御苑は,都会の真っただ中にあって,広さ約58.3ヘクタール、周囲約3.5キロメートルの広大な敷地の中に約1万本の樹木を擁する公園です。
四季折々の自然を楽しむことができ,特に,桜や紅葉の季節には,観光バスで訪れた団体観光客や海外からの旅行者,家族連れなど,大勢の人でにぎわっています。
もっとも、私がおすすめしたいのは,あえて桜や紅葉の季節以外の,平日の,新宿御苑です。
桜や紅葉の季節は,自然よりも先に,まず人間が視界に入ってきます。
他方,初夏や冬の季節の,しかも平日であれば,木々や花々がダイレクトに目に飛び込んできます。視界の中には,人がまばらか,時には全くいないことさえあります。
しかし,閑散とした印象は全くありません。ゆったりとした気分を存分に堪能できます。芝生に寝転がれば,空と,木と,ときどき空を飛ぶカラスが,世界のすべてです(ただし,たまに,腕に這い上がるアリが気になることもあります。)。なんて贅沢な時間でしょう!

そうそう,新宿御苑を訪れた際には,スッポンを探してみるのもよいかもしれません。
新宿御苑には、なぜかスッポンがいるのです。初めて公園の池を泳ぐスッポンを見たときは仰天しましたが,よくよくみると,なかなか愛らしい顔つきをしています。
そういえば,スッポンが亀にまざって気持ちよさそうに池を泳ぐ様子を眺めていたところ,葉巻をくわえた知らないおじさんから,こんなことを言われました。「昔から『亀とスッポン』って言う諺があってな,あれは似てるけど全然違う生き物なんだよ。」それをいうなら「月とスッポン」ではないかと思いつつ,亀とスッポンが仲良く泳ぐ光景をみていると,「亀とスッポン」も悪い言葉ではないと,妙に納得してしまったものです。
後に確認したところ,亀とスッポンの違いは色々あるようですが,1番大きな違いは甲羅で,亀の甲羅は骨が変化したもので骨の一部であるのに対し,スッポンの甲羅は皮膚であるとのことでした。
そんな新しい知見を得ることができるのも,新宿御苑の魅力です。
 


 

-戻る-   ページTOPへ

suginami-mitakai.com