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杉並の風
 
 スケッチの会5年生
三宅 正彦 (S52 経)
 
僕の絵の記憶は幼稚園の教室から始まる。その日、僕は黒・赤・黄や持てるだけのクレヨンを小さな手に握って猛烈な勢いでグルグル画用紙に描き始めた。ユウランセンの大爆発だ!驚いた先生が飛んで来て「そう、それなら分かるように描きましょうね」と言われたのが原点だ。
 あれから60年、「水彩画をやっています」と言うと、大抵の人はにやりと笑って「あー私も小学校でやりました、うまく描けなくてねぇ」と返って来る。私も同じ、なのに水彩画。それは亡父の勧めと老後の趣味にと夢見たから。その夢が叶えられたのも杉並三田会にスケッチの会があったからこそ、この幸運に先輩方に感謝の他はない。
 でも何故水彩画は敬遠されるのか。それは水泳と似ているからだと思う。水に慣れる迄に時間が掛るのだ。この会に入って1年半はなかなかうまく描けなかった。先輩に聞いても皆そう言う。これは私の細やかな体験談。

① 「好きなように描きなさい」と昔言われた。今の時代、ネットや本にお手本は事欠かない。独創性より真似ることが先。皆先生。
② 最初の構図とイメージで絵の大半が決まる。家で写真を参考に仕上げるのが普通。
③ 初めの鉛筆デッサン、動く木・傾くビル・伸びる家・大きな顔に悩まされた。自分の癖を掴み対象をよく見ること。デッサンスケールで構図を固定し、イーゼルを使うのもよい。
④ 人物(曲線)(図1)、自然(不規則線)、建物(直線)の描き方の違いに慣れる。人物はクロッキーで美しい線の練習がよい。自然でも樹木、水(図2)、空の特徴的描き方がある。建物は遠近法で立体感を出す。見慣れた風景の見方が変わって来る。

       
        図1 I嬢 20年2月例会 
            水彩F6号
 図2 中伊豆 初景の滝 
      水彩F3号
⑤ 彩色の順番は鮮やかな色・明るい色から(図3)。濃い色は乾いてから順々に塗り重ねる。失敗したら拭き取ればよい。乾く前に次の色を滲ませる技法もある。緑やグレーは混色する。葉は影により浮き出し(図4)白地により輝き出す。絵が息づく瞬間だ。
       
   図3 大國魂神社 20年7月例会
     水彩F4号
                    
  図4 シクラメン             水彩F3号
⑥ 道具は絵具、紙、筆だけの経済的な趣味。
 スケッチの会では静物、人物、屋外とカバーし、一人ではなかなか行く機会がない場所にも行きます。ベテランが優しく手解きしてくれるので初心者も安心です。何と言っても童心に還れるのが一番。
 さあ、貴方もスケッチを一緒に始めてみませんか?大人のお絵描き、楽しいですよ!
 


 

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